水木しげる

〝リアル鬼太郎〟は見抜いていた 

 鬼太郎には実在のモデルがいた。水木さんのおい・Sさんである。紙芝居作家だった1955年頃、兵庫県西宮市で同じ家に住んでいた。私は水木さんの取材時、Sさんに会ったことがあり、当時39歳、細面で自動車会社に勤める会社員だっ […]

ねずみ男がお気に入りのワケ

「ねずみ男」がお気に入りのワケ

 水木ワールドで、たくさんのキャラクターを作りだした水木さん。「一番好きなキャラクターは?」と問われると、必ず「ねずみ男です」と答える。  ねずみ男は非常に特異なキャラクターだ。妖怪と人間の間に生まれた半妖怪。僧衣(そう […]

「絵の道」を照らしてくれた山下清

 水木さんは勉強が苦手だった。兄と弟は中学校に進学したのに、水木さんのみが高等小学校卒。それでもくじけなかったのは、「小学校時代から絵がうまかった」から、とされる。  確かにそうだ。高等小学校1年の時に個展を開き、「少年 […]

花咲くyokai談

ゲーテの言葉が人生の道しるべ

 水木さんは最晩年に、『ゲゲゲのゲーテ』という本を刊行した。その中でご本人が言っている。「水木サンの80%はゲーテ的な生き方です」  ドイツの文豪ゲーテに出会ったのは10代の末期。徴兵を前に哲学書などを読み漁っていた頃、 […]